通信制高校から専門学校への進学は可能?専門学校の入学入試と合わせて解説!

通信制高校から専門学校への進学は可能?専門学校の入学入試と合わせて解説!

専門学校は、職業に就くために特化した専門知識の修得や、専門技術等の実習中心のカリキュラムが特徴の学校です。通信制高校から専門学校への進学はできるのでしょうか?今回は通信制高校から専門学校への進学についてお伝えしていきます。

専門学校とは?

専門学校は、専修学校と呼ばれる学校の種類の1つです。専修学校は、職業もしくは、実際生活に必要な能力を育成し、または、教養の向上を図ることを目的とした学校です。専修学校は、3種類あります。高等課程、専門課程、一般課程の3つです。高等課程は、中学校卒業した人を対象にしていて、専門課程は、高校卒業した人を対象にしていて、一般課程は、特に学歴・年齢等は問わない形となっています。専門学校は、専門課程に当たります。

専門学校で学べる内容は、8分野です。工業系、農業系、医療系、衛生系、教育・福祉系、商業実務系、服飾・家政系、文化・教養系になります。最も人気なのが、医療系で、准看護師の資格を取るための学科です。

専門学校を卒業すると、2年制以上でかつ、62単位以上の場合は、専門士の称号が得られます。4年制以上でかつ、124単位以上の場合は、高度専門士の称号が得られます。専門士の場合は、高卒よりも就職先の幅が広がるようです。高度専門士は、多くの場合、大卒と同じ扱いになり、大学院への進学も可能です。

専門学校の卒業後の進路としては、就職、大学編入、大学進学が挙げられます。就職先は、専門分野に応じた職種への就職の割合が高くなっています。看護系であれば、医療系の就職先、調理系であれば、飲食系の就職先になっています。

専門学校への入学方法

専門学校への入学方法は3種類あります。AO入試、推薦入試、一般入試です。合格したら絶対に行かないといけない専願か、合格しても自分で学校を選べる併願かどちらで受験するかによって、受験方式が変わります。学校によっては、AO入試や推薦入試で定員に達すると、早々に募集を止める学校もあるので、注意が必要です。

AO入試

学力試験ではなく、受験生のやる気を評価して、合否を決める選抜方法です。書類審査、面接等で選抜されます。AO入試は、早い時期に合格が決まります。正式出願に先立ち、エントリーが必要です。早いところだと、6月くらいにエントリーが始まります。出願には、エントリーが必須です。オープンキャンパスへの参加を条件としている学校もあります。エントリー後、夏休み前くらいに、合格内定が出ます。あくまで内定なので、正式な合格をするために、正式出願が最終選考を通過する必要があります。

専門学校によっては、AO入試で入学すると、初年度の授業料が免除になることや、入学金免除、試験料免除などを行っている学校もあります。一般入試で入学するよりも、学費が安くなる場合があるので、経済的な負担を減らすことができます。AO入試は、専願のところが多いようです。

推薦入試

推薦入試には、2種類あります。公募制と、指定校です。公募制は、高校の校長先生からの推薦が必要で、出願条件をクリアすれば、誰でも受験できます。指定校は、専門学校が指定した高校のみが応募対象になります。出願条件として、評定平均や出席状況などの条件が課される場合があります。選考では、書類審査、面接、小論文、適性検査などが課される場合もあります。高校時代の学業や部活動、課外活動への取り組みが評価されることが多いです。通信制高校では、こういう点が評価されることを頭に入れて、過ごしましょう。

自己推薦という形もあります。出願条件の評定平均は、公募制や指定校よりも低めに設定されていますが、その分、面接の比重が大きくなっています。面接では、専門学校に進学して頑張れるかどうか、人となりが評価対象になります。高校時代に学業や部活動、課外活動に力を入れ、それを面接で伝えていきましょう。もし、資格を取得したり、何かの賞を受賞された場合は、面接官に、しっかりとしましょう。10月ころから出願や、選考が始まる学校が多いです。

一般入試

AO入試や、推薦入試と比べると最も出願が遅いのが一般入試です。11月頃から出願が開始され、3月中旬くらいまで出願を受け付けている学校もあります。一般入試は1回だけではなく、複数回行われる学校もあります。AO入試や推薦入試に不合格になってしまった人も諦めずに、一般入試にもチャレンジしましょう。一般入試では、書類選考、科目試験、面接を組み合わせて行っている学校が多いです。学校によっては、適性試験や実技試験を課すところもあります。科目試験は、学校によって異なります。一般常識の問題を出すところもあれば、特定の科目の試験を出すところもあります。しっかりと募集要項や過去問を確認して対策しましょう。看護系の専門学校だと、生物や化学の問題が出題されることがあります。高校で科目選択する際に、入試に必要な科目の授業が受けられない等がないように気をつけましょう。特に通信制高校では、理科基礎は授業で取りますが、理科は授業で取りません。そのため、理科が受験で必要な場合は、独学で勉強していく必要があります。

ほとんどの専門学校には、偏差値で測れる分野がないため、正確な難易度を測ることが難しいです。倍率も学校によって公表しているところと、公表していないところがあります。一方、看護系は、偏差値や倍率があるので、事前に確認しましょう。

通信制高校から専門学校への進学率

学校基本調査の令和2年度のデータによると、通信制高校を卒業して、大学等への進学率が約20%、専門学校への進学率が約25%、就職率が16%になっています。およそ4人に1人が専門学校に進学しています。専門学校への進学率が高い理由としては、専門学校と通信制高校が連携している学校があることが挙げられます。通信制高校から専門学校に進学する際に、学費や入学金の免除になる場合もあり、指定校枠もたくさんあるので、不合格が出にくいようです。また、通信制高校では、英語や数学などの科目の授業の他に、美容や調理、プログラミング等の専門科目を学べるコースもあります。通信制高校で専門知識や専門技術を身につけて、さらに専門性を高めたくて、専門学校に進学するという理由もあるようです。

専門学校の中で、修業年限が2年以上等の要件をクリアしたところは、その専門学校を卒業すると、専門士という称号が得られます。専門士は、4年制大学の3年次編入ができるようになります。大学編入は、募集人数も少なく、編入学試験には、専門科目の試験を課されるので、難易度は高くなっています。

専門学校の中で、修業年限が4年以上等の要件をクリアしたところは、その専門学校を卒業すると、高度専門士という称号が得られます。高度専門士を持っていると、大学院への入学資格が得られます。専門学校から、大学や大学院への進学に興味がある場合は、大学や大学院への進学実績がある専門学校を選びましょう。

まとめ

通信制高校から専門学校への進学についてお伝えしました。専門学校は、就職する際に必要な専門知識や技術等の能力を上げられる学校です。専門学校を卒業すると、専門士や高度専門士という称号を得られ、大学への編入や、大学院への進学も可能です。専門学校への入学方法は、AO入試、推薦入試、一般入試の3つです。AO入試や、推薦入試は、基本的に専願なので、合格したら絶対に行かないといけません。ここは注意しましょう。一般入試は、科目試験を課す学校もあります。通信制高校には、授業で行わない科目試験が課される場合があるので、専門学校に進学すると決めたら、どんな科目が試験に出されるのかを募集要項や過去問で確認しましょう。通信制高校から専門学校への進学は、おおよそ4人に1人の割合です。専門学校の進学率が高い理由としては、専門学校と通信制高校が提携していて、その専門学校への指定校枠が多いことや、通信制高校で専門的なことを学び、さらに専門的な内容を学びたいためということが挙げられます。