通信制高校から大学合格へ!大学入試における通信制高校のメリットとは?

通信制高校から大学合格へ!大学入試における通信制高校のメリットとは?

全日制高校では、大学等進学率は、約50%を超えています。通信制高校は、約20%ほどです。通信制高校の卒業者数は、約5万人で、大学等進学者は約1万人です。通信制高校の進学率が全日制高校と比べると低いのは、通信制高校は、どんな背景の人でも高校卒業資格を取れるようにしているため、高校卒業資格を取るためだけに通っている人もいるためだと考えられます。今回は、通信制高校の大学受験についてお伝えしていきます。

大学入試について

大学入試には、3種類あります。一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜です。一般選抜は、学力テストを行う方式です。通信制高校は、どんな背景の人でも高校卒業資格を取ることができるので、授業は最低限のことしかやりません。通信制高校の授業では、各科目で基本的なレベルのことしかやりません。また、大学受験で使う科目を授業で行わない場合もあります。例えば、数学は、数学Iと数学Aのみで、数学II、数学B、数学IIIの授業はありません。理科も理科基礎のみで、理科の授業はありません。大学受験で、数学や理科を使用する場合は、学校の勉強以外で自分で独学で進めていく必要があります。

学校推薦型選抜は、2種類あります。指定校推薦と、公募制推薦があります。指定校推薦は、大学が高校に数名ほど枠を与えて、推薦枠をオーバーして希望者が多い場合は、校内選抜があります。公募制推薦の場合は、学校内で、人数が決まっているわけではありません。何人でも応募できますが、大学側で募集人数が決まっています。どちらの推薦も、評定平均がどのくらい必要か決められている場合があります。この評定平均は、テストの成績以外にも、レポートの提出状況や、スクーリングの出席状況等も関わってきます。

総合型選抜は、以前はAO入試と呼ばれていました。この入試方式では、面接や小論文、プレゼンテーションなどで選考します。こういう選考を通して、大学のどういう生徒に入って来て欲しいかを記載されているアドミッションポリシーに合った生徒を選考します。総合型選抜を受験する場合は、アドミッションポリシーをしっかりと理解する必要があります。

大学入試における通信制高校のメリット

①通学をあまりしなくて良い

全日制高校では、授業や、学校行事、部活などでほとんど毎日学校に通います。通信制高校では、レポートを作成する必要はありますが、基本自学自習のため、あまり学校に通わなくて良いです。そのため、受験勉強に使える時間が多くなります。受験勉強に当てられる時間が多いので、計画を立てて、しっかりと勉強すれば、希望の大学に進める可能性が高くなります。

②総合型選抜や学校推薦型選抜に向いている

通信制高校は、総合型選抜に向いています。総合型選抜は、国公立・私立問わず募集していて、面接、小論文、プレゼンテーションなどで選考されます。この選考を通して、大学のアドミッションポリシーに合った生徒を選考します。総合型選抜では、高校時代の活動実績をアピールすることもできます。そのため、学校に行く時間が少ない通信制高校では、時間がある分、活動実績を積みやすいです。活動実績を積むには時間がかかる場合があります。総合型選抜で受験すると決めたら、早めに行動しましょう。

また、通信制高校は、公募制推薦にも向いています。公募制推薦では、評定平均が設定されている場合があります。通信制高校のテストは、教科書の基本的なレベルのものがほとんどです。そのため、全日制高校に比べると、評定平均が高くなりやすいです。そのため、通信制高校は公募制推薦に向いていると言えます。公募制推薦の場合は、評定平均以外にも科目試験があります。試験科目は、一般選抜では、3〜8科目受験するのに対して、公募制推薦は、1〜2科目がほとんどです。科目が少ない分、対策がしやすいです。受験時期は秋くらいから冬頃にあります。早めに受験があるので、早めから対策する必要があります。

指定校推薦も、評定平均が高くなりやすいという特徴があるため、通信制高校は向いています。

③サポートが手厚い学校もある

通信制高校には、コースがたくさんあります。そのコースの中には、大学受験コースもあります。大学受験コースには、塾や予備校が大学受験のサポートをしてくれる学校もあります。こういう学校では、現状の自分の学力に合わせて、勉強していき、そこから志望校に合格するために、カリキュラムの設定やサポートをしてくれる学校もあります。大学受験コースを設置している学校を選ぶ際は、志望する大学に合格しているかどうかや、授業以外に、進路指導などの受験のサポート体制があるかどうか、メンタル面もサポートしてもらえるかどうかを確認しましょう。その他に、学費も確認しましょう。大学受験コースを設置している学校の場合、通信制高校の学費の他に、大学受験コースの学費もかかる場合があります。通信制高校の学費は、就学支援金制度があるので、授業料は年収によって、支援される場合があります。大学受験コースの学費はこの制度が使えないので、注意が必要です。

大学受験コースがない場合は、通信制高校の授業だけでなく、塾や予備校に通う必要があります。そうなると、通信制高校の学費と、塾や予備校での料金がかかります。塾や予備校に通わないといけないかどうかは確認しましょう。

大学入試における通信制高校のデメリット

①自己管理が必要

通信制高校は自分で勉強して、レポートを作成する必要があります。レポートは、1単位あたり3枚書くペースです。卒業には74単位が必要のため、レポートは222枚必要です。1年間で74枚書くペースで、1ヶ月に6枚書くペースです。そのため、1週間に1.5枚程度書く必要があります。3年間で卒業するためには、このペースでやらないと卒業できません。しっかりと計画を立てて、レポートを消化していかないと、溜まる一方です。溜まったレポートを見て、嫌気がさし、やる気がなくなるというループになってしまい、最終的に、卒業できない可能性があります。注意しましょう。

②ライバルがいない

通信制高校は、いつ学校に行くかも生徒によって様々です。そのため、学校に行っても、同級生に会うことはあまりありません。そのため、通信制高校では、同じ目標の人がどのくらい勉強しているのかどうかわかりにくいです。また、ライバルがあまりいないため、モチベーションも保ちにくく、挫折してしまう可能性があります。

③勉強する内容が大学受験向きではない

通信制高校は、どのような背景の生徒でも、高卒資格を取れるようにカリキュラムを組んでいます。そのため、授業内容は、高卒資格を取りやすいようにしており、大学受験向きではありません。レポートも基本的な内容を問う問題が多いです。大学受験で使用する科目も勉強しない可能性があるので、独学で進めていく必要もあります。授業で習った内容もしっかりと大学受験レベルまで勉強していく必要があります。

まとめ

通信制高校から大学等に進学する人は、全体の2割ほどです。全日制高校は5割以上も進学するので、通信制高校の進学率は低いです。それは、通信制高校が高卒資格を取ることが目的の人が多いことが考えられます。大学入試には、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜があります。学校推薦型選抜や総合型選抜は、評定平均が取りやすいので、通信制高校に向いています。デメリットとしては、自己管理が必要な点や、勉強する内容が大学受験向きではないので、独学で勉強していく必要があります。