技能連携校とは?通信制高校サポート校との違いも合わせて解説

技能連携校とは?通信制高校サポート校との違いも合わせて解説

中学校を卒業したら、全日制高校や通信制高校に進学する以外に、技能連携校の高等専修学校に進学するという道もあります。技能連携校は、あまり聞きなれない言葉だと思いますので、技能連携校や、高等専修学校について説明していきます。

技能連携校とは?

技能連携校は、技能連携制度を利用して、専門的なことを勉強しつつ、通信制高校で高校卒業資格を修得する学校のことを指します。技能教育施設とも呼ばれています。

技能連携制度は、高等専修学校で単位認定された科目が通信制高校の単位として認められる制度です。そのため、高等専修学校に所属していて、通信制高校にも所属しているというダブルスクールの状態になります。

ダブルスクールになるので、勉強量が多くなってしまうと心配されると思いますが、高等専修学校で修得した単位の半分くらいは、通信制高校の卒業に必要な単位として認められるので、効率的に専門的な知識も身に付きつつ、高校も卒業できます。

高等専修学校で学べること

高等専修学校では、「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8分野が学べます。

学ぶ内容は、座学よりも実務を中心に学ぶようです。専門的な勉強をしっかりと修得しないといけないので、全日制高校と同じく、週5日の登校としている学校がほとんどのようです。実務面を学べるだけではなく、コースによっては、国家資格取得を目指すコースもあるようです。調理師や、自動車整備士、准看護師、美容師、理容師の受験資格を得られるそうです。

高等専修学校の学費について

初年度の納入金は、60〜100万円ぐらいになるようです。この学費の差は、何を学ぶかによって異なります。例えば、医療系の高等専修学校に通うとなった場合は、初年度で150万円くらいかかる学校もあります。

高校では、就学支援金制度や、学割がありますが、高等専修学校も対象なのでしょうか?

結論から言えば、高校と同じで、就学支援金制度や学割が適用されます。また、都道府県での給付金も支給されている場合は、受けられる可能性があります。

技能連携校とサポート校の違い

ダブルスクールというのは、技能連携校とサポート校では同じです。技能連携校では、修得した単位は、通信制高校の卒業の単位として認定されます。サポート校は、通信制高校の授業を支援する塾のような存在なので、サポート校の授業を受けても、通信制高校の卒業単位としては認められません。通信制高校の単位を修得するには、通信制高校の課題を提出したり、スクーリングで授業に出席する必要があります。

サポート校は、通信制高校の授業をサポートするような役割があるので、高校卒業までのサポートをしっかりとしてもらえます。サポート校にも色々とコースがあり、専門的な技術や知識を学ぶカリキュラムがあるサポート校もあります。

高等専修学校のメリットとデメリット

高等専修学校のメリット

①興味あることをより深く学べる

高等専修学校は、早くから専門的な内容を学ぶことができます。座学というよりかは、実技メインの授業になっているので、専門的な技術も学ぶことができます。座学で勉強した内容をすぐに、実技で体験できるので、記憶に残りやすく、学習効率も高まります。高校によっては、部活や、体育祭・文化祭といった学校行事がある学校もあるようです。そのため、全日制高校とあまり変わらない学校生活を送ることができます。

②就きたい職業が決まっている場合は早くから学べる

調理師や、看護師、美容師等の資格を取得するためのサポートをしてもらえます。座学だけではなく、実技も学べるので、就職した直後から、即戦力として活躍することが可能です。

高等専修学校は、就職率が高いというメリットがあります。その理由としては、専門的な知識を身に着けている点と、高等専修学校が、業界企業と繋がりがある点と、学校が就職指導をしてくれる点が挙げられます。高校を卒業して、就職したい場合には、進学先として、高等専修学校も候補の1つとして選ぶと良いと思います。

学費支援が受けられる

全日制高校や、通信制高校と同じように、学費の支援が受けられます。そのため、就学支援金制度や、奨学金等が利用可能です。それ以外にも、国の給付金等も対象の場合があるので、積極的に利用していきましょう。

また、高等専修学校に通っている生徒も高校生として扱われるので、学割や通学定期券の発行も可能です。全日制高校とあまり変わりはない生活を送ることが可能です。

高等専修学校のデメリット

①同じ分野を学び続ける必要がある

高等専修学校では、1つの分野を深堀していき、専門知識を修得していきます。そのため、数年間は、同じ分野を学び続けることになります。例えば、入学当初は、すごく学びたい分野であっても、在学中に他にやりたいことが見つかった場合、高等専修学校で学ぶことが苦痛になる可能性があります。同じ分野だけを学び続けるのは、人によっては、デメリットになる可能性があります。

②就職の選択肢が狭まる可能性がある

高等専修学校の就職率は高いですが、それは、高等専修学校で専門知識を学び、それを活かす職に就く場合です。高等専修学校で学んだこと以外のところで就職を考える場合は、高等専修学校の就職率の良さが活きない可能性が高いです。高等専修学校に入る時に、この分野を学び、この学んだことを活かして就職すると決めている人であれば良いと思います。ですが、もし、高等専修学校に入る理由が、就職に良さそうだからという理由だと、入ってから苦労することになる可能性があります。しっかりと、将来について考えた上で、進学するかどうかを決めましょう。

③認知度が低い

高等専修学校と聞いても、すぐにどんな高校なのかわかる人は少ないかもしれません。全日制高校に通う生徒は、約200万人いると言われていますが、高等専修学校に通う生徒は、約

3万人ほどです。そのため、そこまで知名度が高いわけではありません。高等専修学校の卒業は、高卒と同等程度ですが、認知度が低いことから、面接を受ける際に、全日制高校より劣るのではないかと思われる可能性があります。こういう誤解が生まれる可能性があるのは、デメリットの1つとなると思います。

④将来進学を考える場合、独学する可能性が高い

高等専修学校で、修業年数が3年以上、総授業時数が2590時間以上(74単位以上)という条件を満たせば、大学入学資格を得ることができます。しかし、高等専修学校は、社会に出た時に役立つ専門的な知識を学ぶところなので、大学受験についてはあまり教わりません。また、大学入試に必要な科目までやらない可能性が高いので、学校でやらない部分は、独学で進める必要があります。

まとめ

今回は、技能連携校についてお伝えしました。技能連携校は、高等専修学校で、専門的なことを学び、通信制高校で、高卒資格を取得する学校です。ダブルスクールなので、卒業するのは大変かと思われるかもしれませんが、高等専修学校での単位が、通信制高校の卒業に必要な単位として認定されるため、そこまで大変ではないようです。高等専修学校は、専門的なことを学ぶので、就職率は高いようです。学びたいことが明確で、将来その学んだことを活かして仕事にする場合は、高等専修学校に進学することは良いと思います。しかし、まだやりたいことがはっきりしていない場合は、あまりオススメしません。