通信制高校から医学部っていける?医学部を目指すために重要なことを解説

通信制高校から医学部っていける?医学部を目指すために重要なことを解説

通信制高校から、医学部に進学することはできるのでしょうか?結論から言うと、通信制高校から医学部に進学することは可能ですし、実際に通信制高校から医学部に進学されている人もいます。医学部の他にも、通信制高校から、東京大学や、京都大学をはじめとする、難関大学に進学する人もいます。

通信制高校の大学進学率

全日制高校の大学進学率は、55%くらいと言われています。通信制高校ではどうでしょうか?

通信制高校の大学進学率は、18%ほどです。全日制高校と比べると大学進学率は低くなっています。

その他に、専門学校等が22%、就職は19%ほどになっています。

通信制高校に通う人の30%ほどは、働きながら通学しているようです。通信制高校に通いながらアルバイト等で学費を稼ぐ人もいれば、社会人で会社に働きながら通学している人もいます。さらに、芸能人やスポーツ選手が、活動しながら通信制高校に通学している人もいます。このような背景の人も通信制高校に通学しているため、大学受験を目指す層が少なく、大学進学率が低くなっていると考えられます。

通信制高校のカリキュラム

通信制高校のカリキュラムは、どのような背景を持った人でも高卒資格を取得しやすいように設計されています。そのため、大学受験向けのカリキュラムを組む学校はあまりありません。例えば、数学は、数学Iは必修科目で、数学Aは選択科目です。医学部の大学受験に必要な数学IIBや数学IIIの授業はありません。そのため、数学IIBと数学IIIは、独学で勉強しないといけません。

通信制高校は大学受験で不利になるのか?

通信制高校の卒業証明書には、「〇〇高等学校」と記載されるため、その学校が通信制高校かどうかの記載はありません。そのため、大学受験においての通信制高校の有利・不利はなく、全日制高校と同じ基準で合否が決まります。一般入試だけでなく、学校推薦型入試や、総合型選抜も同様です。

通信制高校から医学部を目指すために大切なこと

①大学受験のサポートが手厚い学校を選ぶこと

通信制高校は、どんな背景を持った人でも高卒資格を取得しやすいように設計されているため、大学受験向けのカリキュラムではありません。そのため、大学受験のサポートが受けられて、実績がある学校を選ばれると良いと思います。例えば、塾が母体の通信制高校もあります。塾が母体の高校だと、大学受験に詳しく、相談できる先生や、自習室が完備されているところがあるので、そういうところで勉強をすることで、勉強に取り組みやすく、成績も上がりやすくなります。

もし、現在通われている学校が、大学受験に対してサポートがあまりない場合は、まずは学校の先生に相談されることをオススメします。何かしらのサポートを受けられる可能性があります。

もし学校の方でサポートが難しい場合は、塾などを通うことも考えた方が良いと思います。

②時間を有意義に使うこと

大学受験の勉強だけでなく、自主的に勉強していくことが重要です。通信制高校のメリットの1つとして、あまり授業の時間がないので、使える時間が多いというのがあります。しかし、時間があっても、ダラダラ時間を使っていては、意味がありません。通信制高校の勉強以外の空いた時間をどう過ごすのかで、結果が変わってくるので、時間の使い方を意識していくことが重要です。

③目標をきちんと見据えること

大学受験は、周りから言われて何となく受験という感じでは、勉強が大変で挫折してしまう可能性が高いです。そのため、しっかりと自分自身で目標を決めていくことが重要です。まずは、大学に行って、何を学びたいのかを考えてみてください。その上で、どの大学に行きたいのかを決める必要があります。大学が決まることによって、勉強する内容も変わってきます。そのため、早めに大学を決めると、その大学の対策も早めにできますので、時間がある高1生・高2生の内に志望校を決めていきましょう。

大学受験における通信制高校のメリット・デメリット

大学受験における通信制高校のメリット

①時間の融通が効く

通信制高校は、毎日学校に登校する必要がなく、1日の学校のスケジュールも自分で決めることができるため、自分の時間がたくさんあります。そのため、受験勉強に割く時間を多く確保することが可能です。上でもお伝えした通り、ただ勉強時間を長く取っただけでは、大学受験は成功しません。限られた時間にどんな勉強をするのかが重要になります。

②指定校推薦をもらえる場合がある

通信制高校にも全日制高校と同様、指定校推薦がもらえます。指定校推薦枠が取れれば、ほぼ不合格になることはなく、大学に入学することが可能です。指定校推薦でいける大学は、学校によって異なります。ここは、学校に直接問い合わせをしてみると良いと思います。指定校推薦で、去年はあった大学でも、今年からない大学もあるので、ここは注意が必要です。また、希望する大学はあっても、学部学科まで希望するところがあるとは限りません。ここも注意が必要です。

指定校推薦の場合は、レポートの提出状況、スクーリングの出席状況、試験の点数、学校生活の様子が重要になります。学校内で指定校推薦枠を勝ち取らなければならないので、上記の点は意識して、上位を目指す必要があります。

③塾が運営している学校はサポートが手厚い

通信制高校の中には、塾や予備校が運営している学校もあります。塾や予備校が運営している学校ですと、予備校のプロ講師から直接授業を受けられたり、習熟度に合わせて、1対1の個別指導をしてくれたり、進路相談・メンタルケアもサポートしてくれたりします。また、高校にプラスして予備校に通うよりは安く、負担が少なくなるでしょう。

大学受験における通信制高校のデメリット

①指導内容が大学受験向きじゃない

通信制高校は、どのような背景の方でも、高校卒業資格を取れるようにしているため、カリキュラムが高校卒業レベルになっています。また、学習内容も、基礎的な内容が多いので、その知識だけでは、大学受験に太刀打ちできません。受験に必要な知識が足りない状況になるので、学校のサポートがない場合は、独学で学んでいくか、塾や予備校に通う必要があります。

②切磋琢磨する環境がない

通信制高校は、学校に投稿するのが、年に数日という学校もあります。そのため、友達作りも積極的に動かないと難しい状況です。周りと切磋琢磨する環境があまりなく、受験勉強も自分一人でやることが多くなるので、途中で挫折してしまうケースもあります。そのため、そうならないために、大学受験に精通している、サポートが手厚い高校に行くか、通信制高校にプラスして、塾や予備校等に通われると、良いと思います。

③学習が遅れがちになる

通信制高校は、自学自習のため、学習内容で、不明点や、疑問点が出てきても、質問がしづらい状況にあります。そのため、学習がおくれがちになるという状況が生まれやすくなっています。そのため、そうならないために、独学でやる人は、しっかりと自分で長期的な計画から、短期的な計画まで立てて、その通り勉強していくと良いと思います。それが難しい場合は、高校にサポートをしていただくか、塾や予備校に通うのが良いと思います。

まとめ

通信制高校から大学に進学する割合は、約2割です。ここまで低い理由は、通信制高校が、どんな背景の人でも高校卒業資格を取れるように門戸を広くしているためや、本業が忙しく、仕事と学業を両立するためという人もいます。通信制高校からの大学進学率は低いですが、東京大学をはじめとする難関大学に合格する人もいます。もちろん医学部にも合格している人もいます。しかし、全日制高校と比べると、大学受験向きな環境ではないので、大学受験向きの環境を揃える必要があります。