通信制高校に行きたい理由とは?先輩たちの志望理由や不安点などを紹介

通信制高校に行きたい理由とは?先輩たちの志望理由や不安点などを紹介

通信制高校には興味があるけど、実際に通っている人は、どんな理由で通信制高校に行きたいと思ったのかについてお伝えしていきます。通信制高校に通っている生徒数は約21万人います。高校生の約16人に1人が通信制高校を選んでいます。男女比も約半々くらいになっています。

通信制高校を選んだ理由

①マイペースに登校したいから

全日制高校は、毎日登校する必要があります。通信制高校は、公立の場合は、2週間に1回程度の登校、私立の場合は、学校によって異なり、週に数日登校するタイプと、年に数日登校するタイプがあります。学校に通う以外の自由な時間が多いので、やりたいことをやりつつ、学業と両立することができます。

通信制高校に通う生徒の多くは、中学校を卒業して、新入学の生徒のようです。この割合は、6割を超えます。この結果から、通信制高校には、初めから通信制高校を選択している人が多いということが言えます。

②やりたいことをやりつつ、学業も両立したいから

通信制高校は、登校日数が少ないことが特徴です。そのため、学校に通学しない自由時間が多いので、やりたいことに時間を費やすことができます。例えば、プロのスポーツ選手は、練習や、海外遠征や、合宿等で忙しく、あまり学校に通うことができません。そういう人が、現在の仕事と、学業とを両立するために、通信制高校を選ぶようです。具体的には、東京オリンピックに出場された、スケートボードの堀米雄斗選手、BMXの中村輪夢選手、新体操の大岩千未来選手、サーフィンの大原洋人選手が挙げられます。

また、通信制高校のコースの1つとして、専門的な内容を学べるコースを設けている学校もあります。ネイリストを目指すコース、美容師を目指すコース、声優を目指すコースなどがあります。既にやりたいことが明確で、早い段階で専門的な内容を学びたい人は、こういうコースが入っている高校で学ぶと良いでしょう。

中には、起業や大学受験のために、全日制高校から通信制高校に転・編入するパターンもあるようです。最初は全日制高校に通っていたけど、起業して、仕事が忙しくなり、全日制高校に通えなくなってしまったので、通信制高校で、仕事と学業を両立していくパターンです。また、将来、芸術系の大学に進学したいと思っていて、その大学は実技がメインなので、科目の勉強はほどほどに、実技面を美術系の予備校で勉強して、芸術大学の進学を目指すパターンもあるようです。

③不登校だったけど、高校は卒業したい

中学の時に不登校だった人や、現在通っている高校で不登校になった人が、高校を卒業したいという理由です。中学校で集団生活に馴染めなかった人や、いじめなどを経験した人にも通信制高校は選ばれています。

通信制高校に入学する人は、通っていた高校を不登校になり、通信制高校に転・編入するという印象を持つ人が多いです。しかし実際には、全体の4割くらいと多くはありません。

通信制高校に入学するには、2パターンあります。1つ目は、勉強がついていけずに、単位を修得できず、留年もしくは卒業できないため、通信制高校に転・編入するパターンです。全日制高校で留年もしくは卒業できなかった場合、もう1年通うことになり、通算で高校に4年以上通うことになります。通信制高校に転・編入すると、時期によりますが、同級生と同じタイミングで卒業することができます。

2つ目は、いじめや、学校に合わず等で不登校になり、通信制高校に転・編入するパターンです。通信制高校には、学校によっては、カウンセラーが常駐していたり、先生が全員カウンセラー資格を持っていたりと、サポートが手厚い学校があります。メンタル面でフォローが必要な場合は、サポートが手厚い通信制高校を選ぶと良いと思います。

④高卒資格を取得したい

通信制高校に通っている人は、10代ばかりではりません。中には、60歳以上の人で、通信制高校に通っている人もいます。通信制高校に通っている人の年齢別の割合としては、15〜18歳で83.8%です。19〜24歳で10.7%です。25歳以上では5.4%です。人数にすると、25歳以上で通信制高校に通っている人は、約1万人います。何らかの理由で、高校に行けなかったり、高校を卒業できなかった人が、大人になってから、高卒資格を取得したいと思い、通信制高校に入学するパターンもあるようです。高卒資格を取得したい理由としては、社会人となり、そこで学歴に関して悔しい思いをした人や、学歴コンプレックスを抱えている人、高卒資格を取得し、社会・仕事に活かしたいと考えている人、青春に戻りたいと思っている人、夢を叶えたいと思っている人などがあるようです。

通信制高校を知るきっかけは保護者経由

中学校の進路指導のメインは全日制高校を中心に行われるため、あまり中学校から通信制高校を勧めることはないと思います。通信制高校を選ぶきっかけになったのは、親に紹介されたことが一番多いようです。次いで、学校訪問、学校案内パンフレットになっています。学校選びを誤ってしまうと、後の学校生活で苦しい思いをする可能性があります。高校選びは、保護者が主導になって、情報を収集し、子どもに、どんな学校があるかを伝えてあげましょう。情報収集のやり方としては、通信制高校のポータルサイトや、学校のHP、新聞等の広告をから始めて、気になる学校があれば、学校説明会や、学校訪問をし、どういう学校なのか吟味して、決められると良いと思います。

通信制高校を検討する際に、不安になること

進学や就職に対する不安

通信制高校に進学するのは良いけど、卒業後の進路はどうなっているのか不安に思われる人もいると思います。通信制高校を卒業し、就職した割合は、約2割です。公立と私立では、どちらも約2割ほどであまり差はありません。就職内定率に関しては、各学校で異なります。通信制高校卒業後、進路未決定者は、全体の4割くらいいます。公立では、約5割、私立では、約3割ほどです。そもそも就職も進学も希望していない層も一定数いるようです。卒業後に、就職を考えている場合は、気になる学校の説明会に参加し、就職率や、就職先について確認していきましょう。

また、通信制高校を卒業し、大学等に進学する人は、約2割ほどのようです。通信制高校は、どんな背景の人でも高校卒業資格を取得できるようになっています。そのため、学習内容も基本的なことをやることが多いです。通信制高校は、大学入試に必要な科目を勉強しない場合もあります。例えば数学は、数学Iと数学Aは勉強しますが、数学II、数学B、数学IIIは勉強しないので、独学が必要です。通信制高校によっては、大学受験コースを設置している学校もあります。大学等に進学を考えている場合は、大学受験のコースを設置している学校を選びましょう。また、興味がある学校が見つかったら、説明会等に参加して、大学進学率や進学実績を確認しましょう。また、指定校推薦の枠があるのかどうかや、指定校推薦ではどのような学校があるのかも確認すると良いでしょう。

学費についての不安

通信制高校の初年度の学費は、公立で約5万円前後、私立では、約25万円からになります。全日制高校の学費は、1年間で約46万円、私立では、約97万円になるので、比較すると、通信制高校の方が学費が安いことがわかります。また、学費については、就学支援金制度があり、年収に応じて、授業料が安くなります。就学支援金制度は、無利子の給付になるので、後で返金する必要はありません。学費が高いなと思ったら是非、就学支援金制度を利用してみましょう。

まとめ

通信制高校を選んだ理由についてお伝えしました。選んだ理由としては、マイペースに学校に登校したいからや、やりたいことと学業を両立したいから、不登校だったけど高校を卒業したいから、高卒資格を取得したいことなどが挙げられます。このように通信制高校を選ぶ理由は人によって様々です。通信制高校には高校生の16人に1人が通っていますが、全日制高校に比べるとまだまだマイナーです。卒業後の進路であったり、学費であったり、情報が少ない分、不安になることが多いと思います。そういう時は、しっかりと学校の情報を集めましょう。通信制高校のポータルサイトや、学校のHPから情報を収集していき、興味がある学校があれば、学校説明会に参加して、学校について知っていきましょう。学校選びで失敗してしまうと、その後の通学が苦になります。後悔しない学校選びをしましょう。