【通信制高校】公立と私立の違いとは?学費・授業内容・入学時期など違いを解説

【通信制高校】公立と私立の違いとは?学費・授業内容・入学時期など違いを解説

通信制高校にも、全日制高校と同じように、公立と私立があります。今回は、通信制高校の公立と私立の違いについてお伝えしていこうと思います。

通信制高校の公立と私立の違い

①学費

全日制高校と同様、公立と私立では、学費が大きく異なります。公立の場合は、各都道府県教育委員会で1単位あたりの授業料が異なります。1単位あたり175円〜700円くらいのようです。年間で25単位ほど修得すると、4,375円〜17,500円になります。3年間で74単位修得すると、12,950円〜51,800円となります。全日制高校の公立の授業料が年間で約10万円ほどで、3年間だと30万円になりますので、通信制高校の公立の学費はかなり安いことがわかります。また、学費は、授業料以外にも入学金や、施設費、通信費、教科書代、スクーリング費等がかかります。授業料と、これらの費用を入れると、初年度で約4円〜8万円ほどかかります。3年間で約10万円〜24万円ほどで卒業することが可能です。就学支援金制度を利用することで、学費はかなり抑えることができ、卒業するまでに、数千円から数万円になる場合があります

私立の通信制高校の授業料は、学校によって異なります。授業料は、1単位あたり5,000円〜12,000円くらいのようです。年間で25単位ほど修得すると、125,000円〜300,000円になります。3年間では74単位修得すると、370,000円〜888,000円になります。全日制高校の私立の年間授業料は約45万円ほどです。3年間だと135万円になります。全日制高校の私立と比べると、通信制高校の私立の方が授業料が安いことがわかります。公立と同様に私立でも、授業料以外にも入学金や、施設費、通信費、教科書代、スクーリング費等がかかります。これらの費用を入れると、初年度で23万円〜45万円くらいになります。3年間では、67万円〜120万円くらいになります。私立の場合も就学支援金制度が利用でき、授業料が半額くらいから全額、支援されます

②学校のサポート

公立の通信制高校では、中学校卒業程度の学力がある前提で勉強が進みます。全日制高校同様、一度躓いてしまうと、人によってはついていくのが難しくなります。また、公立の通信制高校は、通常の科目を教える先生しかおらず、カウンセラーによるメンタル面のサポート等はありません。公立の通信制高校は、登校が2週間に1回程度とあまり多くありません。そのため、わからない部分を先生に教えて欲しくてもあまり学校に行かないため、自学自習で解決できない人には厳しい環境です。また、スクーリングや試験日などは、学校で決められてます。不登校であまり学校に行けない人や、病気を持っていて、体調が不安定な人であってもその日に学校に行かなければいけません。

私立の通信制高校は、勉強が苦手な人や、不登校で中学校の時にあまり勉強してこなかった人など幅広く受け入れているため、時には、中学の学習範囲に戻って、勉強を教えてくれる場合があります

私立の通信制高校は、学校の先生が全員スクールカウンセラーの資格を持っているところや、専属のスクールカウンセラーが常駐している場合があります。そのため、ちょっとしたことでも相談できるため、手厚くフォローしてもらいたい場合は、私立の方が良いと思います。また、レポート提出に関しては、登校しなくても、ネットで提出できるところもあります。学校への登校日も自分で調整できたりするので、公立の通信制高校に比べると自由度が高くなっています

③学ぶ内容

公立の通信制高校では、科目の授業の他に、文化祭や体育祭、修学旅行といった学校行事に参加できます。これらは、スクーリングとして単位認定されます。また部活動も活発なことが多いです。

私立の通信制高校では、高校の科目の授業だけでなく、専門知識や技術を学べる学校もあります。具体的には、ネイリストになるためのコースや、美容師になるためのコースなど、資格取得も目指せるので、やりたいことが明確な場合には、是非専門的な内容も学ぶと良いと思います。

④中退率

中退率は公立と私立で差があります。公立だと中退率は5.6%で、私立だと3.0%です。これは、公立の通信制高校では、あまりサポートをしてくれないことが関係しているのかもしれません。通信制高校で1年間で1科目以上の単位を修得している割合は、公立だと45.7%で、私立だと89.2%となっています。この結果からもわかる通り、公立は単位を修得するのが難しく、私立は比較的単位を修得しやすいという結果になっています。これらが、中退率に関わっているのだと思います。中退の理由としては、学業不振、学校生活・学業不適応、進路変更等が挙げられます。

⑤入学できる地域

通信制高校には、広域と狭域があります。通信制高校は、住んでいる地域によって、入学できる学校に制限があります。広域と狭域は、受け入れられる地域の大きさを示しています。広域の方は、入学できる地域が3都道府県以上で、狭域の方は、入学できる地域が学校がある都道府県と隣接する1都道府県となっています。基本的には、広域は私立で、狭域は公立です。広域の通信制高校の中には、全国から募集している学校もあります。学校のキャンパス以外にもスクーリングを行える会場があったり、遠方からも参加できるように、スクーリング会場に宿泊施設がある学校もあります。狭域はほとんどが公立です。公立の通信制高校は、スクーリング会場が少ないことがあります。そのため、あまり自宅から遠い学校だと、通学するのが不便です。

⑥入学時期

公立は入学できる時期が年に1回なのが一般的です。中には、10月入学がある学校もあります。10月入学は、例えば、中学卒業のタイミングでまだ進学先が決まっておらず、入学するタイミングを逃してしまった人や、海外の中学校から、日本の高校に入学する人などが入学するようです。10月入学の場合でも、同級生と同じタイミングで卒業することが可能です。

私立の場合は、いつのタイミングでも入学することができる学校が多いです。中には、新入学は公立と同様、4月と10月で、転・編入はいつでも可能という学校もあります。興味がある学校は、いつ入学可能かどうかは、しっかりと確認していきましょう。

公立・私立通信制高校の入試

通信制高校の入試は、基本的には面接中心になっています。通信制高校で科目試験を課しているのは、通信制高校全体の約20%をいかない程度のようです。8割近くの学校で科目試験以外を課しています。選抜方法を見ると、書類審査と面接が多く、次いで面接と作文、書類審査・面接・作文という感じです。面接では、志望理由や、高校でどんな生活を送りたいのか、高校卒業への意欲等が聞かれるようです。

まとめ

通信制高校の公立と私立の違いについてお伝えしました。公立と私立の違いとして大きいのは学費の違いです。学費は、どちらも全日制高校と比べると安いです。公立と私立では、倍以上異なります。しかし、授業のサポートは、公立と比べると私立の方が手厚くなっています。そのため、1年間の単位修得率も私立が90%近くですが、公立だと50%を下回る感じです。授業をしっかりとサポートしたい人には、私立の通信制高校がオススメです。他の違いとしては、学ぶ内容の幅が異なります。公立だと、科目授業が中心ですが、私立は、科目授業以外に、専門的な授業や実技を学べる学校もあります。既にやりたいことが明確な人は、専門的な内容を早くから学べる私立も検討してみると良いと思います。入学できる地域が公立と私立で異なります。公立は、キャンパスがある都道府県プラス近隣の1都道府県です。私立は、3都道府県以上募集可能です。近くに行きたい高校がない場合は、私立の通信制高校も検討してみると良いと思います。