通信制高校は恥ずかしい?そんなことない理由を解説します

通信制高校は恥ずかしい?そんなことない理由を解説します

通信制高校に入学しても、就職が不利になるとか、通信制高校は、勉強が出来ない人が行くところや、通信制高校は不良が多い等のネガティブな意見が出てきて、通信制高校に通うことが恥ずかしいと感じる人もいます。実際そうなのでしょうか?今回は、通信制高校の実情についてお伝えします。

通信制高校は恥ずかしいのか?

通信制高校は、全日制高校と同様、履歴書では、高校卒業になります。通信制高校という感じでは書かれていないので、履歴書を見ただけでは、通信制高校なのかわかりません。また、最近では、通信制高校から、東京大学や、京都大学等の最難関大学に進学している学校もあります。そのため、通信制高校に入ったからと言って、特に恥ずかしがることはありません。

全日制高校には、普通の人が行く高校で、通信制高校には、不登校の人が行く高校というイメージが先行しています。実際に、不登校だから通信制高校に通う人もいますが、中には、スポーツや芸能活動などに専念していて、やりたいことが忙しいから、あまり学校に通わなくて良い学校に入学して、仕事と勉強を両立しようと思って、通っている人もいます。

通信制高校の入試は、ほとんどが書類審査・面接・作文という形で、筆記試験を課す学校は少数です。そのため、学力が低い人が集まりやすく、全日制高校より劣っていると感じ、そこの点を恥ずかしく感じる人がいるようです。通信制高校も、文部科学省に従った卒業条件があるため、全日制高校より劣っているわけではありません。

通信制高校は、転・編入する人が結構います。そのため、前に通っていた全日制高校に未練があるパターンもあります。通信制高校は、全日制高校と比べると、メジャーではありません。そのため、通信制高校に通うのが、普通じゃないと感じ、恥ずかしいと思う人がいるようです。通信制高校出身の有名人として、女優の永野芽郁さん、俳優の岡田将生さんが挙げられます。通信制高校を卒業して、活躍されている人もいるので、メジャーではないですが、恥ずかしがる程ではありません。

通信制高校に通う生徒数や学校数は増えている

全日制高校と定時制高校の生徒数は年々減少していますが、通信制高校の生徒数は年々増加しています。特に、私立の通信制高校の生徒数が顕著です。また、通信制高校の学校数も増加しています。こちらも私立の通信制高校の学校数が増えています。この背景としては、不登校の生徒数の増加が関係しているようです。不登校の生徒数も増えているため、通信制高校に通う人も増えているという感じです。

通信制高校から大学進学できる

通信制高校から大学に進学することが可能です。しかし、通信制高校の大学等進学率は、20%くらいになっています。全日制高校では、50%以上あるため、通信制高校の大学進学率は低くなっています。通信制高校は、どんな背景の人でも、高校卒業資格を取れるようになっています。そのため、通信制高校の授業では、基本的なことを扱います。大学受験レベルまでは学校でやらないので、大学受験レベルまでの勉強を独学でやっていく必要があります。また、通信制高校では、大学受験で必要な科目を授業で勉強しない場合もあります。例えば、数学は数学Iや数学Aは授業で勉強しますが、数学II、数学B、数学IIIは授業で勉強しません。また、理科も理科基礎は授業で勉強しますが、理科は授業で勉強しません。数学や理科が大学受験の科目に必要な場合は、独学で勉強する必要があります。このように、通信制高校から大学進学のハードルは高くなっています。通信制高校は、レポートや、テストの問題が基本的なものがほとんどです。そのため、勉強をすれば、しっかりと、テストの点数が取れて、評定平均も上げやすいです。評定平均を使った入試方法の学校推薦型選抜や、総合型選抜の入試方式を利用することで、一般選抜と比べると有利に戦える可能性があります。学校推薦型選抜も総合型選抜も、評定平均だけではなく、科目試験や、面接、小論文、プレゼンテーションなどがある場合があるので、そこの対策をする必要があります。

通信制高校から就職できる

通信制高校からの就職は不利になるという話が出てきますが、実際はそんなことありません。通信制高校の就職率は、20%くらいで、全日制も同じくらいなので、そこまで差がありません。通信制高校から就職する場合は、高校の成績を上げることや、スクーリングの遅刻や欠席はなるべくやらないようにしましょう。面接の際に、この人は、入社してから努力してくれる人間なのか等を見られます。また、就職を有利にするために、資格を取るのは良いでしょう。資格を取ることで、就職の幅が広がる可能性が高まります。

通信制高校から就職することは可能ですが、高卒は離職率が高い傾向にあります。3年以内の離職率は40%近いようです。高卒からの就職は、選べる仕事が大卒からの就職に比べると少ないです。インターンやアルバイトで実際に仕事をしてみて、仕事場の雰囲気や、仕事内容をやってみてから、就職をすると、ミスマッチが減るので、積極的に、インターンやアルバイトをしましょう。

通信制高校のメリット

①学費が安い

通信制高校のメリットの1つとして、学費が安いことが挙げられます。公立の全日制高校の

初年度の学費は、25万円からで、私立の全日制高校は、75万円からです。それに対して、公立の通信制高校の学費は5万円からで、私立の通信制高校の学費は、25万円からになります。通信制高校の公立だと、全日制高校と比べると、1/5も安いことがわかります。私立は、公立よりも学費が高い分、卒業までのサポートが手厚くなっています。高校を卒業できる自信がない場合は、私立の方が良いでしょう。

②やりたいことに時間を割ける

通信制高校は、自学自習がメインとなります。そのため、全日制高校は毎日通う必要がありますが、通信制高校は、どのくらい学校に通うかを決めることができます。週に数日から、年に数日の学校まであります。プロスポーツ選手や、芸能人は、本業が忙しいので、学校に通う日が、年に数日の学校に通っている人が多いようです。

③自分のペースで勉強できる

通信制高校は、自学自習がメインのため、自分のペースで勉強することができます。自分のペースで勉強はできますが、3年で卒業したい場合は、ある程度、計画的に勉強しないと、3年で卒業することが難しいです。具体的には、通信制高校は、最低でも74単位習得しないと、卒業できません。単位は、レポートを作成し、スクーリングに参加し、テストに合格すると、単位を習得できます。レポートは、1単位あたり3枚作成する必要があります。そのため、最低でも222枚のレポートを作成する必要があり、これを1週間になおすと、1.5枚作成しないといけません。同級生と卒業したい場合は、計画的に勉強しましょう。

通信制高校のデメリット

①自己管理しないといけない

通信制高校は自学自習がメインのため、自分で計画を立てて、勉強を進めていく必要があります。勉強する習慣がついている人は良いですが、勉強する習慣がついていない人は、通信制高校のサポート校に通い、勉強のサポートをしてもらうと良いでしょう。

②友達ができにくい

通信制高校は、いつ学校に行くのかを自分で決められるため、各生徒によって学校に行く日が異なります。そのため、学校に行っても同級生がいないなんていうこともあります。スクーリングや、学校行事が友達を作るチャンスになるので、その機会に積極的に交流しましょう。対人コミュニケーションは、社会人になってから必要なスキルになります。学生時代に鍛えると良いでしょう。

③大学進学が難しい

上でもお伝えしたように、通信制高校の授業は基本的な内容しかやらず、大学受験に必要な科目をやらない可能性もあります。そのため、通信制高校に通っているだけでは、大学受験に通用しません。通信制高校の大学進学コースに通ったり、学習塾や予備校に通い、勉強していく必要があります。中学レベルからやっていく場合、かなりの勉強時間が必要になるので、早めから大学受験を意識した勉強を始めましょう。

まとめ

通信制高校に通うことが恥ずかしいと思う人もいますが、通信制高校でも就職できたり、大学進学できるので、恥ずかしがる必要はありません。それよりも、就職や進学などの将来に目を向けましょう。就職のために、学校の成績を上げたり、スクーリングで欠席や遅刻しないことで、面接官に良い印象を持ってもらえる可能性が上がります。大学進学を目指す場合は、評定平均を利用した入試を受験することで、有利に進める場合もあります。しっかりと戦略を立てて、入試に臨みましょう。学校は、自分が行きたいと思える学校を選びましょう。通信制高校のメリットとデメリットを紹介したので、そこから通信制高校に興味を持っていただき、楽しい高校生活を送ってもらえたらと思います。