通信制高校の生徒数まとめ!なぜ通信制高校を選ぶ人が増えているのか

通信制高校の生徒数まとめ!なぜ通信制高校を選ぶ人が増えているのか

通信制高校の生徒数

高校生の生徒数が、約336万人います。その内、全日制高校の生徒数が、約308万人です。国立の生徒数が約8千人、公立の生徒数が約205万人、私立の生徒数が約102万人になっています。定時制高校の生徒数は、約8万人です。公立の生徒数が約8万人、私立の生徒数が約2千人です。通信制高校の生徒数は、約20万人です。公立の生徒数が約6万人、私立の生徒数が14万人です。

全日制高校と定時制高校の生徒数は、平成2年では、562万人ですが、現在では、316万人となっていて、年々生徒数が減っています。一方、通信制高校の生徒数は、平成2年では、16万人ですが、現在は、約20万人と生徒数が増えています。公立の通信制高校は、平成2年では、約10万人で、現在は、5万人と半分くらいに減っています。私立の通信制高校は、平成2年で、約7万人ですが、現在は、約14万人と生徒数が2倍近くも増えています。

通信制高校の年齢別の生徒数は、15〜19歳で、約17万人です。20歳以降は、約3万人です。平成2年の時は、15〜19歳で、約10万人です。20歳以降は、約6万人です。若い年齢の人が増えて、20歳以上の人の年齢層の人が半分近く減っていることがわかります。

通信制高校にはどんな人が通っているのか?

通信制高校には、狭域通信制高校と広域通信制高校の2種類あります。通信制高校は、住んでいる場所によって、入学できる学校に限りがあります。通信制高校は、レポートの提出と、スクーリングの参加が卒業の条件になるので、通える範囲に学校がないと入学が難しいです。

狭域通信制高校は、入学できる地域が学校が在籍している都道府県と隣接する1都道府県です。広域通信制高校は、入学できる地域が3つ以上の都道府県から入学できます。狭域通信制高校の多くは、公立で、広域通信制高校の多くは、私立です。

通信制高校の入学試験の多くは、学力試験を課しません。その代わり、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション等になっています。そのため、通信制高校に通う人は、不良や何らかの問題がある人が通っているというイメージを持つかもしれません。実際はどうでしょうか?

狭域通信制高校に通っている生徒の半分くらいは、小・中学校または、前に在籍していた学校で不登校の経験がある人です。その次に、ひとり親家庭の生徒で、全生徒の1/4ほどです。次いで、特別な支援を必要とする生徒、心療内科等に通院歴のある生徒になっています。

広域通信制高校に通っている生徒の半分以上が、不登校の経験がある人です。次いで、ひとり親家庭の生徒、心療内科等に通院歴のある生徒になっています。

刑法犯罪等の非行経験を有する生徒は、狭域通信制高校、広域通信制高校で2.1%、4.1%となっていて、全生徒の割合の中でも一番少なくなっています。

通信制高校に通う理由

①専門知識を身につけたい

通信制高校には、専門知識を学べるコースを設置している学校もあります。具体的には、美容師を目指せるコース、声優や俳優を目指せるコース、プログラミングに特化したコース、eスポーツに特化したコースなどがあります。専門コースに通うことによって、専門知識を学べたり、専門技術をその道のプロから直接学べたりできるので、早めに社会で活躍できます。

②やりたいことがある場合

通信制高校では、自学自習がメインになります。そのため、全日制高校と比べると、毎日通学しなくて済み、週に数日から、年に数日ほどの通学で済みます。プロスポーツ選手や、芸能活動をしている人は、仕事と学業を両立するために、通信制高校を選ぶようです。

また、通信制高校は、専門コースがあるので、やりたいことがある人は、その専門コースがある通信制高校を選ぶようです。

③全日制高校を中退した場合

高校には、学年制と単位制があります。学年制は、1学年で修得しないといけない単位数が決まっています。その単位数を修得しなければ、留年となります。留年の場合は、取れなかった単位のみやるわけではなく、1学年で修得しないといけない単位数をまた再度取らないといけません。

単位制は、1学年で修得しなければいけない単位数は決まっていません。3年間で74単位以上修得することということは決まっています。そのため、1学年で、0単位だったとしても、留年はなく、残り2年で73単位以上取れれば、同級生と一緒のタイミングで卒業することが可能です。しかし、1年間で取れる単位数が学校によって決まっています。そのため、タイミングによっては、同級生と一緒に卒業できない可能性があるので、注意が必要です。

全日生高校は学年制で、通信制高校は単位制になっています。全日制高校で、留年したため、同級生と一緒のタイミングで卒業したいから、全日制高校を中退し、通信制高校に転・編入する人がいます。転・編入学の場合、前に在籍した学校からの単位を引き継ぐことができます。タイミングによっては、単位を引き継ぐことができないので、注意が必要です。

④自分のペースで勉強したい場合

通信制高校は、自学自習がメインです。そのため、自分のペースで勉強することができます。全日制高校のように、時間割はないので、自分の好きな勉強もできます。しかし、3年間で卒業したい場合は、自分でスケジュール管理をして、勉強していく必要があります。通信制高校のレポート数は、1単位あたり3枚ほどです。そのため、卒業には、222枚提出する必要があります。1週間あたり1.5枚提出しないと、3年間で卒業が難しいので、絶対3年間で卒業したい場合は、このペースで提出しましょう。少しでも遅れてしまうと、レポートが溜まっていき、モチベーションが下がる原因になります。コンスタントにレポートは消費して、溜まらないようにしましょう。

通信制高校からの卒業後の進路

全日制高校は半数以上が大学等に進学しますが、通信制高校はどうなのでしょうか?

全日制高校を卒業した人は、大学等に進学する人が約55%、専修学校に進学する人が約16%、就職する人が約17%になります。定時制高校は、大学等に進学する人が約12%、専修学校に進学する人が約17%、就職する人が約42%になります。通信制高校では、大学等に進学する人が約18%、専修学校に進学する人が約21%、就職する人が約22%、それ以外が約51%です。公立の通信制高校では、大学等の進学する人が約11%、専修学校に進学する人が約11%、就職する人が22%、それ以外が約51%です。私立の通信制高校は、大学等の進学する人が約19%、専修学校に進学する人が約23%、就職する人が約19%、それ以外が35%です。

それ以外の人の割合が通信制高校では高いことがわかります。これは、進路が未定の人が多いことを表します。次いで、専門学校等の専修学校に進学している人が多く、就職、大学等に進学している人という順番です。通信制高校から大学に進学する人は全日制高校と比べると少ないです。これは、通信制高校が、高卒資格を取得するためだけに通う人が多いことが考えられるためです。通信制高校から大学進学も可能ですが、その場合は、大学受験対策をしている学校に進学することがオススメです。

まとめ

通信制高校の生徒数についてお伝えしました。通信制高校の生徒数は、近年増加傾向にあります。以前と比べると、20歳以上の生徒が減り、10代の生徒の生徒が増えています。通信制高校に通っている人は、不登校を経験した人が半数以上になっています。通信制高校に通う理由としては、専門コースがあり、専門知識や専門技術を身につけたいため、やりたいことと勉強を両立するため、全日制高校に在籍していたけど留年したから、同級生と一緒のタイミングで卒業したいため、自分のペースで勉強したいためが挙げられます。通信制高校を卒業した場合、進路としては、進路未決定者が多いですが、大学や専修学校に進学や、就職している人もいます。