高校の種類
日本の高校には、大きく分けて3種類あります。全日制高校、定時制高校、通信制高校です。全日制高校は、入学時期が決まっていて、通学は毎日で、授業は朝から夕方まであります。卒業年数は3年です。多くの学校で、学年制を採用しています。定時制高校も、入学時期は決まっていて、通学は毎日です。授業は、ほとんどの学校で夕方から夜に行われます。学校によっては、朝や昼に行われるところもあります。卒業年数は基本的に4年です。中には3年で卒業できるところもあります。学年制と単位制の学校があります。通信制高校は、通年で入学可能です。通学は、学校によって様々で、年に数日というところや、毎日通うところもあります。卒業年数は最短で3年です。多くの学校で単位制を採用しています。
通信制高校の生徒数
全日制高校、定時制高校、通信制高校それぞれの生徒数を見ていきましょう。全高校の生徒数は、約336万人です。その内、全日制高校は、約308万人、定時制高校は、約8万人、通信制高校は、約19万人です。高校生のおよそ20人に1人が通信制高校の生徒という感じになっています。全日制高校・定時制高校の生徒数は、平成の始めくらいは、500万人いましたが、現在は、316万人くらいと、減少傾向です。一方、通信制高校は、平成の始めくらいは、16万人くらいで、現在は、19万人くらいと増加傾向にあります。通信制高校の生徒数は、私立では、3年生の割合が40%くらいで、2年生が33%、1年生が25%くらいになっています。これは、私立の通信制高校の場合は、転・編入学が毎月できるため、3年次の比重が高い傾向にあるようです。公立の通信制高校の場合は、1年生から4年生まで25%ずつくらいいます。公立の通信制高校は、4年生の割合が高くなっています。
通信制高校の生徒数は、公立より、私立の方が多くなっています。通信制高校の生徒数19万人の内、公立は、5万人で、私立が14万人です。公立の通信制高校の生徒数は、近年では、平成12年の10万人が最大で、以降減っています。一方、私立の通信制高校の生徒数は、同じ平成12年で7万人で、現在は14万人なので、2倍以上も増えています。
通信制高校の生徒数が増えている理由
通信制高校が不登校の進学先に
通信制高校に通っている生徒の約半数以上が、小・中学校及び前に在籍していた学校で不登校の経験があると答えています。現在は、小・中学校の不登校の生徒数は19万人もいるそうで、年々増加しているそうです。不登校の生徒が増えてきて、その生徒が通信制高校を選ぶため、通信制高校の生徒数が増えていると考えられます。不登校の生徒が通信制高校を選ぶ理由としては、学校側の受け入れ体制が整っていることが挙げられます。通信制高校には今まで多くの不登校の生徒が通っています。そのため、その不登校の生徒について熟知している先生が多く、また、学校によっては、カウンセラーが常駐していて、受け入れ体制が整っている学校もあります。希望の学校が不登校の受け入れ体制があるかや、学校に馴染めそうか等は、学校選びの際に、詳しく調べておきましょう。
通信制高校は全日制高校のように毎日学校に通う必要はありません。希望の登校日数が選べます。また、登校方法も、学校に通うタイプか、オンラインタイプか選ぶことができます。しかし、オンラインタイプであっても、年に数日は、学校に通う必要があります。全く学校に通わずに通信制高校を卒業することはできないので、注意が必要です。通信制高校に興味がある場合は、この点もしっかりと確認すると、入学後のミスマッチを減らすことができます。
やりたいことに専念できる
通信制高校は、自学自習をメインとしています。学校の通学タイプによっては、年に数日のみ学校に通えば良い通学タイプの学校もあります。そのため、学校に通学する以外の時間がたくさんあるので、自分のやりたいことに時間を割くことができます。実際に、やりたいことに専念するために、通信制高校に通っていた人として、東京オリンピックのスケートボード種目で出場し、金メダルを取った、堀米雄斗選手、BMXで出場された中村輪夢選手、新体操で出場した、大岩千未来選手、サーフィンの大原洋人選手、冬季の北京オリンピックの、スノーボード種目で出場した、国武大晃選手が挙げられます。皆さん、練習や海外遠征などで忙しい中、学業とも両立していたようです。
通信制高校によっては、eスポーツや、スポーツ、美容師や調理師の資格を取得を目指すコースなど、将来やりたいことと、直結したコースを設置をしているところもあります。もし、入学時に、やりたいことが明確にある場合は、是非このコースを受講してみてください。専門的な知識以外にも、技術も学べるようなカリキュラムになっています。
通信制高校の学校数
全日制高校と定時制高校の数は、合わせて、5千校いかないくらいです。通信制高校は、公立と私立合わせて、250校くらいあります。平成7年までは、100校もいかないくらいだったので、近年で2倍近くも校舎数が増えています。公立の通信制高校では、平成7年で、68校あり、現在では、78校になっていて、微増です。私立の通信制高校では、平成7年で、25校あり、現在では、175校になっていて、7倍近くも増えています。通信制高校が増えたことも、通信制高校の生徒数が増えたことの原因の一因だと考えられます。
公立と私立の違い
公立の通信制高校と、私立の通信制高校の違いについてお伝えします。公立の通信制高校は学費の安さが魅力の1つになっています。授業料は、各都道府県によって異なりますが、1単位あたり175円から700円になっています。卒業には最低でも74単位必要なため、約1万3千円から約5万2千円になっています。授業料以外にも、入学金や、施設費等の費用が必要ですが、就学支援金制度を利用することで、卒業までに必要な学費は、一番安くて数千円で済むところもあります。私立の通信制高校の場合は、1単位あたり7千円から1万円ほどになっているので、公立の通信制高校の学費がいかに安いかがわかります。
公立の通信制高校の場合、学費は安いですが、きめ細やかな指導やフォローは望めません。この理由は、先生の少なさが一因とされています。生徒数が600人以下の学校では、生徒数が46.2人に対して先生が1人、生徒数が1,201人以上の学校の場合は、生徒数が100人に対して先生が1人と定められています。全日制高校は生徒20人に対して先生は1人なので、全日制高校と比べると、先生の数は半分以下になります。そのため、生徒一人ひとりに対してきめ細やかなフォローは期待できません。また、公立の通信制高校の場合は、中学校レベルの学力がある前提になるので、中学校レベルの学力がないと、授業についていくことが難しくなります。私立の通信制高校の場合は、生徒に合わせて、授業を行ってくれる学校もあります。中学レベルがわからない場合は、そこまで戻って授業を行ってくれます。このようにフォローが手厚いため、私立の通信制高校では、3年で卒業できるようになっています。
まとめ
通信制高校の生徒数は年々増えています。公立と私立で両方とも増えていますが、公立の方は微増で、私立の方は、2倍近くも増えています。通信制高校が増えている理由としては、不登校の生徒が増えていることも一因です。また、現在やりたいことがあり、それと、学業を両立するために、通信制高校に通う人もいるようです。生徒数も増加していますが、学校の数も増えています。学校の数も、公立では微増で、私立では、7倍近くも増えています。公立と私立では、学費や、学習のフォローの手厚さが異なります。どういうサービスを求めるかで、どちらにするかを決めると良いでしょう。