通信制高校はしんどい?挫折してしまう理由と卒業するために必要なこと

通信制高校はしんどい?挫折してしまう理由と卒業するために必要なこと

高校の中退率は、全生徒の1%で、35,000人ほどいるそうです。高校の不登校率も全生徒の1%で、不登校の生徒の5人に1人が中退するようです。高校3年間の中で、高1生が一番中退率が高く、学年が上がるにつれて、中退率は、下がっていくようです。高1生は、新しい高校に入学したが、馴染めずに、中退するということのようです。

通信制高校の中退率は、5.8%で、12,100人ほどいるそうです。全日制高校の中退率の約5倍です。通信制高校の卒業率は、公立で、93.3%、私立で95.2%となっていて、高い数値を出しています。ほぼ全員が、できていると言えます。全日制高校の卒業率は、98~99%と言われているので、通信制高校の卒業率は少し低いですが、そこまで変わりません。

通信制高校の場合は、卒業までに3年間以上かかる場合もあります。

中退する理由

通信制高校の中退率は、5.8%なので、約20人に1人が中退している計算になります。それだけ高いのはどういった理由があるのでしょうか?

①学業不振
勉強を続けるモチベーションが湧かない
勉強しても、内容が難しく、途中で挫折してしまう
上記のようなケースです。

②学校生活・学業不適応
学校生活に熱意がない
授業に興味が湧かない
人間関係がうまくいかない
学校の雰囲気があわない
上記のようなケースです。

③進路変更
別の高校に入学する
社会に出てから役立つ実践的な職業教育を行う、高等専修学校に入学する
就職を希望する
高卒認定試験を受験する
上記のようなケースです。

④病気・けが
通うことが難しい大病になってしまったケースです。

⑤経済的理由
何らかの理由で、学費の支払いができなくなってしまったケースです。

⑥家庭の事情
仕事をしながら、学校に通っていて、両立が難しくなったケースです。

⑦問題行動等
他の生徒さんを傷つけるような行動をしてしまい、退学させられるケースです。

中退をするとどうなるのか?

通信制高校を中退してしまうと、そのままでは、大学や専門学校に進学することができません。

大学や専門学校に進学したいと思った場合は、高校を卒業するか、高卒認定試験を受けて、合格する必要があります。

就職をする場合は、中退してしまうと、最終学歴は、中学校卒業になります。現在は、高校進学率は、98.8%になるので、中学校卒業ですと、応募を断られるケースがあるようです。中学校卒業者の正社員雇用率は3割程度のようなので、中学校卒業資格だけですと、非正規やアルバイトとなることが多いようです。

通信制高校を卒業するには?

通信制高校を卒業するには、3つの条件があります。

1つ目が、高校に3年以上通うこと

2つ目が、74単位以上修得すること

3つ目が、特別活動に30単位以上参加すること

これら3つの条件を満たせば、卒業になります。

単位は、レポートを規定枚数分提出し、スクーリングを受講して、テストを受けて、合格したら単位を修得できます。単位は、科目毎によって、異なります。

例えば国語は、1年次で修得する単位は、レポート12枚提出し、スクーリングは4時間受講して、テストを受けて合格したら4単位修得できます。

特別活動というのは、授業以外の、ホームルームや、学校行事、生徒会活動の時間のことを指します。ホームルームは、学習指導や、進路指導を行う時間です。学校行事は、文化祭や、体育祭、入学式、卒業式、修学旅行などの時間です。生徒会活動は、校内新聞を作成したり、掲示物を作成したりします。生徒会活動を卒業条件にするのは、学校によって様々です。

通信制高校は、ホームルーム等が毎日にあるわけではなく、スクーリングで、農業体験等をして、それが特別活動として認められる形です。

通信制高校を卒業するための秘訣

自分が通いたいと思える学校を選択する

通学範囲

通学範囲が、無理のない範囲で学校があるところを選択されると良いと思います。週1回だけの通学であっても、片道1.5時間や、2時間かけての通学はなかなか通うのが難しいと思います。また、現在は、学校が近場になくても、オンライン校もあるので、近くに学校がなく、オンラインでも可能な場合は、オンライン校も検討されると良いと思います。

公立か私立

通信制高校にも公立と私立が存在します。公立の学費は、年間で5万円ほどです。私立の学費は、年間で、25万円〜になります。公立は、自学自習がメインで、自己管理が必要になります。そのため、中学までの勉強の知識があり、自分で勉強できる方は良いと思います。私立は、学習面だったり、進路面のサポート体制が充実しているので、サポートが必要な方は、私立を選ばれると良いと思います。

登校する頻度

スクーリングで学校に通うことは、卒業する上で必要な条件になります。

学校によって、登校する頻度が異なります。一般的には、週1〜2回ほどの学校が多いようです。学校によっては、年に1回のみ、宿泊して集中的にスクーリングを行うところもあります。オンライン校であっても、スクーリングで、年に1回は最低でも学校に通います。

学べる内容

通信制高校には、様々なコースを設置している学校もあります。学校によって設置しているコースが異なりますが、例えば、大学進学コースや、スポーツコース、美容コース等があります。既に自分でやりたいことが決まっている場合は、自分がやりたいコースがある学校を選択されると良いと思います。

学費サポートを利用する

学費のサポートとして、就学支援金制度というものがあります。この就学支援金は、国が家計の負担を軽減し、生徒の就学を支援する目的で作られた制度です。こちらは、返済が不要になっています。

全国の約8割の生徒さんが使われている制度です。

保護者の課税所得額によって、いくら給付されるのかが異なります。

公立の場合は、年収が910万円未満の場合は、1単位あたり336円が給付されます。

私立の場合は、年収が590万円未満の場合は、1単位あたり12,030円までの額が給付され、年収が590万円以上910万円未満の場合は、1単位あたり4,812円までの額が給付されます。年収が590万円未満の世帯の場合は、実質無償化されます。

就学支援金以外では、各学校で、学費ローンを設けている学校もあります。就学支援金は返済が不要でしたが、学費ローンは、返済が必要です。国の教育ローンもあります。この教育ローンには、年収の下限はありません。国の教育ローンのため、金利も低く、2022年3月現在では、1.65%となっています。返済期間は、15年と長くなっています。

まとめ

通信制高校の中退率は全日制高校と比べると、5倍も高いです。中退する理由としては、学校が合わなかったり、家庭の事情であったり、勉強が難しくてついていけなかったり、様々です。中退してしまうと、このままでは、大学や専門学校に進学できず、就職も、中学校卒業資格だけでは、正社員になるのは3割未満と狭き門です。なるべくなら、中退せず、卒業まで行った方が良いと思います。卒業するためには、自分が通いたいと思える学校を選ぶことが重要です。通信制高校は、学べる内容もバラエティ豊かです。スポーツコースや、美容コースもある学校もあります。自分がやりたいことが決まっている場合は、やりたいことが学べる学校を選択されると良いと思います。また、学費のサポートがあります。返済が不要の就学支援金と、返済が必要な教育ローンがあります。学費が心配な方は是非使ってみてください。